★☆★☆ ⇒《研究室の小窓》
1.「わくわくコンサート」−1・・・・・・・・・・・・・・・・・青山 夕夏
この度「わくわくコンサート」が、皆様のご協力のなか、第3回目の開催を迎え
ることに大きな感慨と感謝の念を覚えております。
3年前、私の研究室(教育学部・音楽領域)で「わくわくコンサート」の活動は
始まりましたが、現在では、様々な学部の学生15名から成る実行委員会が中心と
なり、アドヴァイザーの先生方、卒業生、修了生、地元企業の方々の協力を得なが
ら進めています。私は「フルート音楽の演奏」を専門分野としています。ドイツのオ
ーケストラを始めとする演奏活動を通して、市民が日々の生活の中で音楽を育む土
壌に接しました。その経験もこの活動に生かせればと考えています。
さて、この行事を始めたきっかけは、特別支援学校等の依頼で演奏を行った折り
に「一度でいいから、コンサートホールで音楽を聴いてみたい」という子どもたち
と保護者の方々の声に接したことでした。さらに、育児に追われている人、ひとり
暮らしの人、お年寄りの人も含めて、日頃コンサートに足を運べない方々が集まれ
るようなコンサートが作れないかと考えました。香川大学は様々な専門分野、得意
分野をもつ人々の集合体です。そこで皆がそれぞれの個性、才能を出し合うことに
よって、そのようなコンサートが創れるはずとの信念から始まったのです。そこに
来れば、みんなが協力しあって共に生きていることが感じられるような演奏会です。
そのため、入場料無料にこだわりました。しかしながら、会場費や楽器の使用料も
かかりますし、資金の確保は、毎回大きな問題として立ちはだかります。たとえ多
くのボランティアの方たちのご協力があっても、困難なことが多く、壁にぶつかる
たびに全ては机上の空論だったのではないかと思えることもありました。
それでも私たちの支えとなっていることは、これまでの2回の開催で、会場のキ
ャパシティーを上回る多くの方々にご来場いただいたことです。前回は1500名
の方にご来場いただき、実行委員が慌ててしまったほどでした。実際、香川県内で
これまでこのような機会の提供は少なかったのかもしれません。多くの市民の方々
の要望を耳にし、需要の存在を感じています。
今後とも、香川大学の学生を中心とした行事であるという最大の特長を生かし、
限られた条件の中で可能な限り質の高い公演を目指していきたいと思います。
次回は、今回のコンサートの内容についてお話したいと思います。
(あおやま ゆうか、教育学部教授、木管楽器〈フルート〉)
香川大学メールマガジン 第133号 2010年1月21日